復帰6年目。クルム伊達が日本代表から外れた本当の理由 (3ページ目)

  • 神 仁司●取材・文 text by Ko Hitoshi  photo by Ko Hitoshi

「5年前のここ(岐阜)があって、今がある。まさか自分がそれから5年間やるとは思ってもみなかった。それに、まさかWTAレベルやグランドスラムで戦うなんて、5年前のここで戦っていた時は、本当に1%も考えていなかった。

 1年ずつ時間を重ねる中で、自分の意識も変わったし、周りの目も変わった。みんな、(私が)どうなるんだろうと見ているなかで、いつまでやるんだとか、どこまでできるんだ、と。できるはずがないという話もあったでしょう。5年の歳月が経って、年齢を重ねながらもできているし、優勝を目指して岐阜へ来ていることも(5年前との)大きな違い。(岐阜への)特別な思いは、今も変わらないし、これからもたぶん変わらない」

 6年目のチャレンジに対しては、ある切実な思いがある。

「とにかく1年ぐらいは、ケガをしないで戦い抜きたいかな。今年前半は大きなケガがなかった。テニスのフィーリングを見失わないようにして、フィジカルもキープしたい。ケガなく(全仏などの)クレーを終えて、(ウインブルドンなどの)芝に照準を合わせてヨーロッパシーズンを戦いたい。そして、(夏のUSオープンまでの)ハードコートシーズンでは全開でいきたい」

 日本代表辞退という大きな決断をしたクルム伊達は、思いも新たに自分自身の限界に挑み続けている。

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