【テニス】錦織圭との相性は?王者ジョコビッチら「ビッグ4」の実力 (2ページ目)

  • 神 仁司●取材・文 text by Ko Hitoshi  photo by Ko Hitoshi

 2年連続の全豪ベスト8入りはならず、21位になった錦織圭は、現トップ10プレイヤー(1月28日付け)との対戦で、フェデラー(通算1敗)、マリー(3敗)、ナダル(4敗)、7位フアン・マルティン・デル・ポトロ(4敗/アルゼンチン)、9位ヤンコ・ティプサレビッチ(5敗/セルビア)、10位リシャール・ガスケ(2敗/フランス)から勝利したことがない。特に、パワープレイのデル・ポトロや展開のスピードに勝るティプサレビッチには、今のところ相性が悪い。

 逆に、ダビド・フェレール(スペイン)には2勝2敗、6位トーマス・ベルディッチ(チェコ)に3勝1敗、8位ジョー=ウィルフィールド・ツォンガ(フランス)には2勝0敗という結果を残している。

 さらに、錦織はジョコビッチから2011年ATPバーゼル大会準決勝で勝利を挙げている(1勝1敗)。日本人男子選手が、世界ナンバーワンを初めて破った瞬間であった。ただし、もし錦織がジョコビッチと再戦する時は、バーゼルでの勝利を忘れた方がいい。あの時のジョコビッチはケガからの復帰初戦であり、さらに右肩を痛めて彼のサーブの出来は別人のように悪かったからだ。今後、あのときのイメージで錦織がジョコビッチと戦ったら、相当な力の差を見せつけられて敗退するだろう。
 
 23歳の錦織は、トップ10選手との対戦成績がキャリア通算で7勝18敗。世界の頂点を目指している彼は、まずトップ10に定着する、次に"ビッグ4"に勝つ、そして、王者ジョコビッチを倒す、この3ステップを踏まなければならない。

 今シーズントップ10入りを実現するためには、左ひざのケガを完治させ、ケガをしにくい強い体づくりをし、昨年以上にグランドスラムやマスターズ1000大会など大舞台での安定した成績が求められる。  

 フェデラーは現在31歳で、全豪の準決勝では4時間におよぶ激闘の末、マリーに敗れた。25歳のジョコビッチとマリーに対して、元王者が体力的に劣る場面が見られるようになったものの、依然トップレベルのテニスを維持しており、フェデラーと錦織のグランドスラムでの初対決を心待ちにする日本のファンも多いのではないだろうか。

 ナダルは2月から復帰予定だが、4~5月に得意のヨーロッパクレーシーズンでの巻き返しがなるかどうか注目される。また、全豪準優勝のマリーは、ふたつ目のグランドスラムタイトルを虎視眈々と狙っている。

 そんな中、ジョコビッチは、今回の全豪優勝によって実力的に"ビッグ4"の中から頭ひとつ抜け出し、新たな時代を築こうとしている。

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