【テニス】エース錦織圭も苦戦。デビスカップで突きつけられた強豪国とのレベルの差 (2ページ目)

  • 神仁司●取材・文 text by Ko Hitoshi
  • photo by Ko Hitoshi

 もともと錦織は、サービスエースをガンガン叩きこんでくるタイプを苦手としている。得意のラリーでゲームを組み立て、自分のリズムを作り出すことができないからだ。

 カルロビッチのサーブは、右腕の長さとラケットの長さも合わせると、地上約3mの高さから打ち下ろされてくる。打点が高く、鋭角に落ちてくるようなサーブは錦織も初体験で、リターンのポジションをベースラインから2、3m後ろに変えるなどしたが効果はなかった。

 相手のサーブを「気にしない」と言っていた錦織だったが、結局、カルロビッチに18本のサービスエースを打たれて精彩を欠き、一度もブレークできないまま完敗を喫した。

 3日目、シングルスの2試合目となるドディクとの対決に、錦織は「1戦目が悔しすぎたので、この試合にかける」という強い気持ちで臨んだ。しかし、序盤は緊張から動きが硬く、第1セット3-5とリードされて、第9ゲームではセットポイント1回をドディグに握られた。

 それでも、錦織は得意のフォアハンドストロークを軸にネットプレイも織り交ぜ、攻撃的な姿勢を貫いてピンチを脱すると、第8ゲームから5ゲームを連取してセットを先取。続く第2、第3セットも連取してストレート勝ちを収め、ワールドグループで初勝利を挙げた。

「チームのために、最低1勝ができて、ほっとしている」と試合後に語った錦織だったが、日本は最終的に2勝3敗で敗退。9月にワールドグループ残留をかけてプレイオフを戦うことになった。

「(ワールドグループは)やっぱりタフですね。どの国と当たってもそうだと思うけど、絶対勝てるというのがない。チャンスは五分五分だと思っていたが、簡単には勝てないのがワールドグループなのかな。次は必ず2勝したい。ワールドグループに必ず戻ってきたい」

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