【テニス】すべてが手本。クルム伊達公子が若手に伝える世界で戦う「経験値」 (3ページ目)

  • 神仁司●取材・文 text by Ko Hitoshi
  • photo by Ko Hitoshi

 クルム伊達が若手選手に示したテニスへの真摯な姿勢やプレイは、21歳の森田がしっかりバトンを受け継ぎ、最年少の奈良にも波及したのだ。

 実は、村上監督から再び声をかけられた時、クルム伊達には「2011年にアジアからワールドグループIIへ勝ち上がった若手中心のメンバーで戦った方がいいのではないか」というためらいがあった。しかし、話し合いを重ねる中で、もう一度フェドカップを戦う気持ちに傾き、代表復帰を決めたのだった。

「2年前よりチーム力も個々の力も上がって非常にいい状態だと思う。強い日本女子テニス界をもう一度。ワールドグループで戦えるチームになれるように、自分の力でできることがあるのなら、また一員として、みんなと一緒に戦いたい」

 世界上位8カ国で構成されるワールドグループIへの07年以来となる昇格を果たすため、今また、クルム伊達の経験が日本の女子テニス界に必要とされている。

※ワールドグループⅠプレイオフは、4月21、22日に行われる予定

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