ラグビー日本代表の新ハーフ団がジョセフHCに猛アピール。齋藤&山沢コンビは「大きな可能性」を秘めている (2ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文・撮影 text & photo by Saito Kenji

代表に定着しつつある齋藤

 齋藤は昨年7月のアイルランド代表戦以来の先発。「周りを気にせずに自分を信じてプレーする」との言葉どおり、素早いラン、フィットネス、ボールさばきで序盤からテンポを作った。

「(山沢をはじめとする3人の日本代表SOとは)たくさんコミュニケーションを取ってうまくやれています。モメンタム(勢い)があるかないかで、9番と10番がアタックかキックを判断するので、チームをドライブさせるためにも戦術を理解することが大事だと思っています」

 24歳ながら経験豊富な齋藤は、鋭い眼光で常に周囲を観察しながらアタックを引っ張った。

「相手に強みを出させない、そして自分たちの強みを出す、というプランを遂行することを一番フォーカスした。トランジション(ディフェンスからアタックの切り替え)でしっかりボールを動かすところや、こういった(雨上がりの)天候のなかでもしっかり攻められたところがよかった」

 齋藤はこの1年ですっかり代表に定着した感がある。相手の隙を見つければランで仕掛けたり、グラバーキックを蹴ったりするなど、成長の跡を見せた。

「9番もひとつのオプションになる、相手にとって脅威になるというのは、昨年の遠征から(コーチ陣に)言われていて、そのあたりも意識しながらこの半年間やってきた」

 一方、昨季リーグワン準決勝・決勝でのプレーが評価されて5年ぶりの日本代表戦となった山沢は「早く声かけをして、チーム全体が迷いなくプレーできるようにしたい」との言葉どおり、序盤は味方をしっかりと使ってゲームに安定感をもたらした。

「自分のやるべき仕事はそれなりにできた。エリアマネジメントをとって敵陣でプレーし続けることを一番フォーカスし、いいキッカーがたくさんいるので彼らと連係しながらプランを遂行できたと思います。自陣に釘づけになってしまう部分もあったが、基本的には敵陣でプレーすることができ、失点を少なく抑えられたところはよかった」

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