堀江翔太が「クローザー」と呼ばれるわけ。ワイルドナイツも日本代表も勝利に導く「スーパー特別な選手」 (2ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文・撮影 text & photo by Saito Kenji

36歳でも堀江の肉体は若々しい

 今シーズン、堀江は準決勝までの15連勝のうち14試合で「16番」をつけてベンチから出場し、そのうち7試合の逆転勝利に貢献した。堀江を含めたFW第1列の3人を後半の早い時間帯に交替させるロビー・ディーンズ監督の起用方法は、まさしくワイルドナイツの「勝利の方程式」となっている。

 2019年ワールドカップが終わり、8歳年下のHO坂手淳史がキャプテンになると、堀江は控えに回ることが多くなった。「時には先発として『2番』で出場したいと思わないの?」と堀江に聞いてみた。

 すると、堀江はこう答えた。

「チームが求められることをやるのが選手。2番で出ようが、16番で出ようが、特別なことをしようとしないので、そんなに変わらない。2番が頑張ってくれるから、16番で途中から出ると相手が疲れていて、僕はフレッシュな状態で試合に入れますから」

 控えにまわろうとも、堀江のプレーは若々しい。ボールキャリー、タックルを繰り返し、こぼれたボールにも素早く体をなげうってマイボールにしていた。

 その若さの秘訣はなにか。実は、2019年ワールドカップ後に日本代表活動を辞退した堀江は、オフの時間に「ゴッドハンド」の異名を持つトレーナーの佐藤義人氏と二人三脚でトレーニングに精を出してきた。

「30歳の時より、いい感じですね。家族との時間と同じくらい、佐藤さんとの(トレーニング)時間を取って、もっとレベルアップするには何が必要なのか、しっかり話し合ってきた。そのおかげで調子を落とさずやれていると思います」

 日本代表、トップリーグ、スーパーラグビーと休まずプレーしてきた堀江は、疲労が蓄積して2015ワールドカップ前に首に抱えていた「爆弾が爆発」(堀江)。手術を受けてリハビリを行なう日々のなか、ビーチサッカー元日本代表の経験もある佐藤氏に薫陶を受けて、走り方、ステップ、タックル、スクラムなどラグビーの動作に直結するトレーニングで肉体改造を施したという。

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