「リーチ マイケルの後継者」は早くも大学デビュー。花園を沸かせたスター高校生たちの現在地 (2ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文・撮影 text & photo by Saito Kenji

筑波大に世代を代表するSH

 茗渓学園中の頃から名の知られた高橋は、高校1年時からSO黒川和音(早稲田大)とハーフ団を組み、3年時はキャプテンとしてチームを牽引。ただし花園では、2年時は優勝した桐蔭学園、3年時は報徳学園に1回戦で敗れ、残念ながら結果を残すことはできなかった。

 ボールへの寄り、そしてパスのスピードと長さは、すでに一級品。高校日本代表候補に選ばれるだけでなく、セブンズユースアカデミー、さらに高校生ながらU20日本代表候補にも名を連ねるなど、関係者の耳目を集めてきた。

 高橋は間違いなく世代を代表するSHであろう。同じく慶應大戦に出場した1年生SO楢本幹志朗(福岡・東福岡)とハーフ団を組み、これから筑波大の勝利に寄与していくはずだ。

「自分の持ち味であるラックへの早い仕掛けと球さばきは出せたが、相手のプレッシャーに負けてミスをしてしまった。(大学では)ラックへのプレッシャーが強くなってもきれいな球さばきができるようにやっていきたいです」(高橋)

 昨年度の大学選手権で3年ぶり10度目の優勝を果たした帝京大には、今季も36名もの有望な新人が加入した。そのなかでも「将来の10番を背負う」と期待されているのが、長崎北陽台出身のSO大町佳生だ。

「公立高校の雄」として知られる長崎北陽台ではSH川久保瑛斗(東海大1年)とハーフ団を組み、高校2年時は花園で3回戦、高校3年時はキャプテンとしてベスト8進出に貢献した司令塔だ。身長173cmと決して大きくはないが、パス、キック、ランのスキルは高く、スペース感覚にも長けている。

 今年3月に静岡・エコパスタジアムで行なわれた高校日本代表候補同士のエキシビションマッチでも、大町は赤組(レッドブロッサムズ)のキャプテンとして出場。冷静な判断で2トライに絡み、チームを勝利に導いてプレーヤー・オブ・ザ・マッチにも輝いた。

「(日本代表がアイルランド代表を下したスタジアムで試合を行ない)自分にとってターニングポイントになった場所です。桜のエンブレムのついたジャージーを着て活躍するSOになれるように頑張りたいです!」(大町)

 帝京大の同じポジションには、昨年度の優勝に大きく貢献した副キャプテンのSO高本幹也(4年)がいる。まずは彼に勝負を挑み、10番を着ることが大きな目標となるだろう。

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