ラグビー日本代表はスコットランドに惜敗でリーチは「満足感はまったくない」。それでも「チームは成長できた」収穫と課題

  • 松瀬学●文 text by Matsuse Manabu
  • photo by AFP/アフロ

 欧州遠征の収穫と言えば、自分たちの立ち位置を確認できたことだろう。アイルランド戦の反省と、スコットランド戦の手応え。W杯に向け、戦い方、チーム強化の方向性が間違っていないことが確認できた。これは大きい。また、SO松田の成長ほか、新戦力のスクラムハーフ(SH)24歳の齋藤直人、とCTB中野将伍、22歳のウイング(WTB)、シオサイア・フィフィタ、25歳のテビタ・タタフらの台頭である。

 では、課題は。この日、ハンドリングエラーは相手の11個に対し、日本は18個だった。つまりは、プレーの精度、規律、そしてパススピード、判断スピードを含めたスタンダードの底上げである。

 課題を問えば、ジェイミー・ジョセフヘッドコーチ(HC)はこう、言った。

「自分たちでミスを減らしプレッシャーをなくしていかないと、勝つことは難しい。試合数が少ないなか、マレーフィールドでレベルの高いスコットランド代表と試合ができた経験を、しっかり学びとして今後に生かしていきたい」

 リーチはこうだ。

「たくさんの選手がジャパンのスタンダードだったり、世界のスタンダードだったりを感じた遠征になったと思う。(国内新リーグの)リーグワンで(力を)磨き、次に合流した時、ジャパン全体のスタンダードがワンランクあがるようになったらいいと思います」

 最後に。

 オンライン会見での質疑がすべて終わった時、リーチは自分からこう、言葉を足した。

「今回のツアー、(日本時間の)朝3時、4時にもかかわらず、(試合や会見を)見てくれて、(ニュースを)発信してくれて、ありがとうございます。(日本に)帰ったら、必ず、みんなで飲みにいきましょう」

 チームの強さは人間力。タフな遠征は選手たちの人格も磨いていく。よき人間が多いチームはさらに強くなっていくのである。

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