ラグビー花園のスターが続々デビュー。先発に抜擢された注目の大学ルーキー5人

  • 斉藤健仁●取材・文・撮影 text & photo by Saito Kenji

 京都成章では高校1年時から花園に出場し、3年時は中軸のひとりとして同校初の決勝進出に貢献。佐藤とともにU17日本代表で活躍するなど、パスさばき、そしてスピードに長けた選手として注目を集めてきた逸材だ。

 宮尾は進学時、当然ながら関西や関東の強豪大から多く声をかけられた。どの大学に進学したらいいかと個人的に聞かれた時、「SHなので試合にたくさん出られそうなところがいいのでは?」と話したこともあった。そんななか、宮尾は伝統的にBKの展開力に長けていて、自身も「憧れていた」という早稲田大を選んだ。

 春季大会、宮尾はケガなどで出遅れたものの、夏には先輩を押しのけて先発の座を掴み、9番のジャージーを獲得。開幕戦では持ち味であるアタックセンスをおおいに披露した。

 このルーキーたちの活躍もあって、早稲田大は12トライを挙げて70−0で立教大に快勝。大田尾監督は「ふたりは非常に能力が高く、公式戦の先発を勝ち取る力があることは間違いない。大学の公式戦、対抗戦の初戦の固さが見られたかなと思いますが、よくやった」と称えた。

 3人目は、昨年度の対抗戦王者・明治大で15番を背負い、ルーキーながら唯一2試合連続(12日・18日)で先発出場を果たしたFB(フルバック)安田昂平だ。

 御所実業の3年時は「もっと安田にボールを持たせたい」というチーム事情により、SO(スタンドオフ)としてプレーした。だが、2年時は身長181cmと大柄ながら50メートル5.9秒の快足を武器にWTB(ウィング)として4トライを挙げるなど、同校の準優勝に大きく貢献した韋駄天である。

 この青山学院大とのデビュー戦でも、時にはWTBのポジションに入り、ボールを持てば持ち前の走力を発揮していた。初の対抗戦を終えて、安田は「自分のできることを探しながらフォーカスし、思い切ってプレーしようと思った。ボールをもらった時にゲインラインをきれたところはよかった」と胸を張った。

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