「ポスト福岡堅樹」の有力候補たち。その筆頭は名WTBを父に持つサラブレッド (2ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文・撮影 text & photo by Saito Kenji

 今回サンウルブズに選ばれた日本代表候補のなかには、高橋以外にも「ポスト福岡」として期待されるランナーがいる。まずひとりは、東海大学時代にジョセフHCに見いだされたWTB/FB野口竜司(25歳/パナソニック)だ。

 中学1年からラグビーを始めた野口は、ユース時代から将来を嘱望されたランナーだ。東海大仰星高時代は1年からレギュラーに抜擢され、3年時には全国制覇を経験。東海大でも1年から試合に出続け、大学3年時にはついに初キャップを獲得し、2017年のアイルランド代表戦で15番を背負った。

 2019年ワールドカップには惜しくも出場できなかったが、元陸上選手とトレーニングを重ねてスピードアップを強化。今年のトップリーグではプレーオフを含む全11試合にFBとして先発出場し、鋭いランと安定感あるプレーを見せてパナソニックの優勝に大きく貢献した。

 今回はWTB/FB松島幸太朗やFB山中亮平などの兼ね合いもあってサンウルブズでの選出となったが、このまま順調に成長していけば2023年W杯のメンバー争いに食い込む可能性は大きい。

 そしてもうひとりは、WTB/FB尾﨑晟也(せいや/25歳/サントリー)。伏見工業高、帝京大、サントリーと、常に強豪チームで活躍してきたランナーだ。

 2019年W杯前の日本代表候補選手で編成された「ウルフパック」でも最多5トライと気を吐き、今年のトップリーグでも6トライと力強いランで決定力の高さを見せた。「2019年W杯は観客席から見て悔しかったので、2023年は絶対に日本代表に入ってW杯に出場する」という確固たる決意を胸に、サンウルブズで日本代表相手に大きくアピールしたいところだ。

 そして、東京五輪を目指す7人制ラグビーのなかにも「ポスト福岡」候補はいる。まずは、セブンズ日本代表のキャプテンを務めるWTB松井千士(ちひと/26歳/キヤノン)だ。

 福岡が「僕より速い!」と断言する選手で、そのスピードはお墨付き。福岡がオリンピックを経てW杯で活躍したように、松井も「(15人制でも)日本代表に入りたい」と同じ道を目指す。

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