来日したラグビー世界トップ選手の存在感。ボーデン・バレットの涙 (3ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文・撮影 text & photo by Saito Kenji

 ペレナラに引っ張られたNTTドコモは、昨年1勝5敗と下位に沈んだチームとは思えないほど目覚ましい飛躍を遂げた。シーズンを通して精度の高いプレーを見せて、初のベスト8進出も果たしている。

 ラグビーのプレー環境も気に入っていたため、ペレナラは来季も日本に残ってプレーすることを真剣に考えていたという。しかし、NTTドコモの本拠地・大阪のコロナ感染状況が悪化し、1月末には妻と生後半年の娘が帰国したこともあって、最終的にはNZに戻ることを決意した。

 ただ、NTTドコモでの半年間の経験は、ペナレラにとってかけがえのないものになったようだ。

「このチームと過ごす時間が大好きで、一員になれたことを光栄に思います。ここで育んだ友情は一生ものです。みんなと一緒にプレーできたことを誇りに思います。いつかまた、ここに戻れることを願って。マタネ。アリガトウゴザイマス」

 オールブラックス以外では、オーストラリア代表キャップ105を誇る現役ワラビーズのキャプテンFL(フランカー)マイケル・フーパーも、今季のトップリーグで存在感を示していた。

 フーパーはバレットと同じく、オーストラリア協会と契約を結んでいる。しかし、コロナ禍で協会が財政難となってサラリーを払うことができなくなり、フーパーの「サバティカル」を認めて来日となった。

 金髪ロングヘアーがトレードマークの人気イケメン選手は、欧州のクラブチームではなくトヨタ自動車を選んだ。その理由は「トップリーグはプレーが速く、フィジカル面よりセットプレーにフォーカスしたプレーが楽しみだから」と話す。

 フーパーは身長182cmと、決して大きいほうではない。しかし、7番(FL)のポジションについて、フーパーは強いこだわりを持っていた。

「7番はディフェンス、アタックの両方でインパクトを与えられて、特定のサイズ、身長に特化した部分にとらわれない。自由に解釈できるポジションです」

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