トップリーグいよいよ開幕。次の日本代表を担う「3人の注目ルーキー」 (3ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文 text by Saito Kenji
  • 長尾亜紀●撮影 photo by Nagao Aki

 現在、武井は練習場の横に建つ社員寮で生活し、普段はテレワークでコピー機の営業を行なっているという。グラウンドの側に身を置きながら、武井は「日本代表になることが目標ですが、まずチーム内の競争に勝たないと次は見えてこない」と、意識高く練習に臨む日々を送っている。

 トップリーグ選手とのフィジカルの差を埋めるために、体重も94kgから97kgに増やして筋力もアップした。「パフォーマンスもフィットネスも、大学時代より数値が上がっています。ハードワークや泥臭いプレーが自分の持ち味なので、急激に体重を増やさないようにしています」と、動けるFWを目指している。

 HOとしては、スクラムワークやラインアウトのスローイングといったセットプレーまわりを、ライバルでもある35歳の先輩・森雄基からアドバイスをもらっているという。「森さんとは毎日スクラムでやりあっています。自分のスキルをさらけ出してくれて、すごく丁寧に教えていただいています」(武井)。

 リコーはここ数年、ベスト4の壁を破れていない。武井は「フレッシュさを出してチームにいい影響を与えられればいいです。新人賞を取れるような安定したパフォーマンスを出し続けることが大事。練習でも一番を目指してやって、勝つ文化を作り上げていきたい」と意気込む。

 そして3人目は、クボタスピアーズのWTB(ウィング)/FB(フルバック)山崎洋之だ。明治大時代は紫紺のエースとして活躍し、大学3年時に武井とともに大学選手権で優勝。身体の芯が強く、ステップやスピードも秀でているフィニッシャーだ。

 今シーズン、クボタは一気に10人もの大卒新人を獲得した。クボタを率いて5年目となる世界的名将フラン・ルディケHC(ヘッドコーチ)がSO岸岡智樹(早稲田大卒)やFL(フランカー)岡山仙治(ひさのぶ/天理大卒)とともに、期待する選手として名指ししたのが山崎である。

 山崎は練習試合で9試合中8試合に出場(7試合で先発)し、強豪パナソニックワイルドナイツ戦でもトライを挙げた。起用され続けている理由として、山崎は「うるさいと言われるくらい大きな声を出すWTBが少ないので、コミュニケーションが取りやすいのを評価してもらっているのでは」と話す。

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