ラグビー福岡堅樹が明かす医学部受験。
化学が得意、勉強は「超集中型」

  • 門脇正法●文 text by Kadowaki Masanori


 福岡をはじめとするラグビー選手には、どこか頭がいいイメージがある。そのことについて尋ねたところ、福岡からこんな答えが返ってきた。

「頭がいいかどうかはわかりませんが、ラグビーはすごく頭を使うスポーツなので、そういうところで、頭の回転が速い、ひらめきがある選手は多いと思います。

 ラグビーはすごくシステム化されていて、決められたことをすれば、フィジカルに強いチームがある程度のところまではいけるんです。けど、そこから考えてプレーすることができるようになると、フィジカルで負けている場合でも、うまく挽回できるチャンスが出てきて、強いところにも勝てるようになってくる。それが、頭がいいイメージにつながっているのかもしれませんね」

 さらに、日本の社会にはラグビーという競技が合っているのかもしれないと、福岡は言う。

「社会に出るうえでは、ラグビーという競技の精神は、すごくいい影響があると思うんです。基本的には自己犠牲をいとわない、自分が目立てばいいだけではないというのは、ラグビーのひとつのよさでもあるのかなと。そういう競技としての精神、人格形成の部分が、日本の社会の中でいい方向に作用しているような気がしています」

 まさに、今回の新型コロナウイルスに立ち向かう医療従事者の姿は、ラグビーの"One for all, All for one"の精神を体現するものだった。

「親族をはじめ、自分のまわりにもたくさんの医療従事者がいますし、そういうなかで、こういう状況になった時にこそ、いかにその存在がどれだけ大きくなっていくのか、それを、僕だけでなく、日本中、いや世界中の人たちが気づいたと思います。その世界にこれから飛び込むうえで、あらためて責任がある、やりがいがある仕事なんだなと実感しました」

 福岡はラグビーで培った精神を持ちながら、これから医学の世界で羽ばたくため、現在、受験勉強という雌伏の時を過ごしている。

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