鉄人・大野均と盟友トンプソンの絆。キンちゃん離脱の危機をトモが救った (2ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文・撮影 text & photo by Saito Kenji


 大野は2004年に初キャップを獲得。それに対し、トンプソンは2007年に3年居住の条件をクリアしてついに日本代表入りを果たした。そしてふたりは、初めてW杯の舞台に立つ。

 ニュージーランド代表のレジェンドWTB(ウイング)だったジョン・カーワンHC(ヘッドコーチ)に率いられた日本代表は、今大会で目標とする「W杯2勝」を実現させるため、現実的な戦略として2チーム制を敷いた。予選プール初戦のオーストラリア代表戦は若手中心の2軍チームで臨み、続くフィジー代表戦には主力メンバーで挑んだ。

 フィジー代表戦に出場したふたりは、当時29歳と26歳。ともにハードワークを信条とし、日本代表のFW陣を支えた。4番の大野はボールを持たない場面でも常に全力プレーを見せ、5番のトンプソンも後半に2トライを挙げるなど、ともに輝きを放っていた。

 CTB(センター)大西将太郎のプレースキックも好調で、前半9−10という接戦で折り返す。スタンドの観客も盛り上がり、「ジャポン、ジャポン」とフランスのファンも味方につけた。しかし、最後は逆転できずに万事休す......。日本代表にとってW杯16年ぶりの勝利は叶わなかった。

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