福岡堅樹、21歳の分岐点。
2019年W杯までつながるスコットランドとの縁

  • 斉藤健仁●取材・文・撮影 text & photo by Saito Kenji

東京五輪&パラリンピック
注目アスリート「覚醒の時」
第1回 ラグビー・福岡堅樹
2トライを挙げた日本代表vsスコットランド代表戦(2013年)

 アスリートの「覚醒の時」----。

 それはアスリート本人でも明確には認識できないものかもしれない。

 ただ、その選手に注目し、取材してきた者だからこそ「この時、持っている才能が大きく花開いた」と言える試合や場面に遭遇することがある。

 東京五輪での活躍が期待されるアスリートたちにとって、そのタイミングは果たしていつだったのか......。筆者が思う「その時」を紹介していく----。

2013年に初めてスコットランド代表と対戦した時の福岡堅樹2013年に初めてスコットランド代表と対戦した時の福岡堅樹 2019年ラグビーワールドカップのスコットランド代表戦で2トライを挙げて勝利に大きく貢献し、日本ラグビーの歴史を変えた「韋駄天」福岡堅樹(パナソニック ワイルドナイツ)。現在は7人制ラグビーに再挑戦し、夢の東京五輪出場を目指している。

 彼を一躍スターダムにのし上げ、「ケンキ・フクオカ」の名前を世界に轟かせたのは、2013年11月9日のテストマッチだった。対戦相手はスコットランド代表。場所はラグビーの聖地のひとつ「マレーフィールド・スタジアム」。2004年に敵地で8−100の大敗を喫した伝統国との、久しぶりの対戦だった。

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