廣瀬俊朗がラグビー選手へ提言。「今はインプットのチャンス」

  • 松瀬 学●文 text by Matsuse Manabu
  • 齋藤龍太郎●写真 photo by Saito Ryutaro

 こういう時だからこそ、やれることに集中する。楽しく、ユルく。"ふつう"のありがたみに感謝する。可能性をひらく、世界をひらく。ひらくということは、新しい世界へつながること。なぜ、こうもトシさんの言葉はチカラがあって、あったかいのか。

ドラマ『ノーサイド・ゲーム』にも出演したラグビー元日本代表の廣瀬俊朗ドラマ『ノーサイド・ゲーム』にも出演したラグビー元日本代表の廣瀬俊朗 連日の新型コロナウイルスのニュースに心も沈む。スポーツも消えた。そりゃそうだ。ヒトの命が一番。極力、家にこもって、感染を広げないことが大事なのだ。では、ラグビー選手はどうすればいいのだろう。政府の緊急事態宣言が出た日の翌日、元日本代表主将の廣瀬俊朗さんの携帯に電話をかけた。

 テレワーク全盛のいま、このインタビューも電話で行なうことになった。昭和世代のこちらとしては相手の表情や場の空気がわからないから不安があった。でも、結構いい。何と言ってもラクだった。そう言えば、廣瀬さんは「そうすっね。結構ラク」と笑った。いま、ナニを?

「こればっかりはどうしようもないですし、早く終息するのが一番やと思います。そのために自分がやらなアカンことをやりながらしているのと、オンラインやリモート(の仕事)がすごく増えているので、それに対して次の準備というか、(ネット関係の)情報発信をやっている感じですね」

 廣瀬さんは、慶大―東芝でラグビー選手として活躍した。日本代表の主将も務め、2015年ラグビーワールドカップ(W杯)では「陰のキャプテン」としてチームの躍進を支えた。そのシーズンで現役を引退、ビジネス・ブレークスルー大学大学院で経営管理修士のMBAを取得した。

 東芝を退社し、株式会社「HiRAKU」を立ち上げた。昨年のラグビーW杯ではプロジェクト「スクラム・ユニゾン」を展開し、大会の盛り上げにひと役買った。昨夏にテレビ放送された人気ドラマ『ノーサイド・ゲーム』ではアストロズのエース、浜畑譲を熱演した。

「浜畑さん」と冗談で声をかければ、38歳の廣瀬さんはまた、笑った。「テレビの影響はもう、大きくて。ありがたかったなあ、と感じています」。兎にも角にも、ラグビー界断トツのインフルエンサーだ。

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