ラグビー・スタンドオフ戦国時代。
次のW杯で日本の司令塔は誰だ?

  • 斉藤健仁●取材・文・撮影 text & photo by Saito Kenji


 サントリーの同ポジションには、元オーストラリア代表の世界的SO/CTBマット・ギタウと、2015年ワールドカップで日本代表の3勝に貢献した小野晃征がいる。彼らにもまれながら、今シーズンは開幕からSOとして安定感あるプレーを見せていた。

 かつて、熙は「兄と同じくらいやらないとダメですね」と話していた。だが、今シーズンは兄と遜色ないプレーを披露しており、国際レベルでも通用する選手に成長してきたと言えよう。日本代表で兄弟同士、高いレベルで切磋琢磨する姿も見てみたい。

 さらに次世代の10番として有力なのは、パナソニックで松田と定位置を争っている山沢拓也だ。元日本代表指揮官のエディー・ジョーンズHC(現イングランド代表指揮官)から「ビジョンを持っている」と高く評価され、高校生ながら日本代表合宿に招集された逸材である。キックを含めたスキルが高く、ステップも鋭い。

 それでも、その独創的なプレーはジェイミーHCにあまり評価されることはなく、サンウルブズでもプレーしたものの、日本代表に定着することは叶わなかった。「ゲームコントロールの部分を伸ばさないといけない」と山沢自身が話すように、司令塔としての成長が日本代表定着への近道となろう。

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