2020.01.29

ラグビーW杯成功も現状に危機感。
新リーグ発足へ重要な「参入要件」

  • 松瀬 学●文 text Matsuse Manabu
  • 齋藤龍太郎●写真 photo by Saito Ryutaro

 プロスポーツの主な収入源といえば、入場料、放送権料、スポンサー料である。清宮副会長は「しっかりとしたカタチをつくり、日本のラグビーの未来を創れる原資を彼に渡そう」と言って、笑いながら、右手で隣の岩渕専務理事の肩をたたいた。

 ラグビーのプロリーグ構想が昨年7月に明らかになってから議論が進められてきたが、TLの参加企業からプロ化そのものや議論の進め方に反発もあって、劇的な改革はトーンダウンされた。そこで日本協会は昨年11月に「新プロリーグ設立準備委員会」を設置して、検討を進めてきた。

 結果、サッカーのJリーグやバスケットボールのBリーグのようなプロリーグとは違うカタチとなりそうだ。新リーグの法人準備室長を務める日本協会の谷口真由美理事は、選手の契約形態について問われると、「あらゆる可能性を模索したい」として明言を避けつつ、「選手のステータスはチームと詰めていく」と説明した。つまり、プロ契約、社員契約選手混在の現状と同じということだろう。

 ちなみに、1993年に発足したJリーグの参加要件では、「18人以上のプロ選手との契約」と定められていた。

 また①チームの運営機能としては、「事業機能を持つこと」とし、必ずしも分社化を求めないことになった。会社の事業部のくくりでもいいということだ。現行のトップリーグ16チーム、トップチャレンジ8チームの計24チームの撤退を避けたいためで、谷口理事は「ラグビーならではの多様性というか、ゆるさというか、そういうのでいいんじゃないかという結論に至りました」と説明した。

 ②では、例えば、今年でスーパーラグビーから撤退するサンウルブズが何らかの形で参入することも可能になる。③の1部リーグのチーム数は、試合の価値を高めるため、現行のトップリーグから大幅に減ることになりそうだ。なお1、2部の昇格、降格制度を導入する方針。④のチーム名では、地域名を入れる必要があるが、企業名を加えることも認めている。

 ⑤の観客動員でいえば、昨季のTL1試合平均が約5000人。W杯効果で今季は昨季の倍以上のペースで推移している。集客目標を15000人に定め、同規模のスタジアムを2023年シーズンまでに確保できるよう努力するとした。義務ではなく、努力目標とすることで参加団体の意思を重視する。