震災から25年。神戸製鋼が「1.17」を背負い、大一番を制す (3ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文・撮影 text & photo by Saito Kenji

 ひとり少ない14人でトライを挙げたシーンについて、世界的な司令塔は胸を張る。

「勝ち負けはそういう時に決まる。トライを獲る前のゴールライン前のディフェンスは、本当にすばらしかった。神戸製鋼のジャージーが選手にとってどういう意味を持つのか、どれだけ大事なのかがしっかり伝わったと思います」

 この試合でMOM(マン・オブ・ザ・マッチ)に選出された中島は、奥さんや子どもの名前とともに「1.17」の文字を右腕のテーピングに書いて臨んでいた。

「タフなゲームでした。80分間、戦い続けられたことがよかった。神戸の地震の25周年だったので、その気持ちで戦った」

 神戸という街、神戸製鋼という会社、そしてクラブの想いをすべて背負って戦った。震災から25年目のシーズン、神戸製鋼が開幕3連勝でトップリーグ連覇に向けて大きく弾みをつけた。

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