16強入りの浦和高校ラグビー部。花園で受験勉強しながら強豪に挑む (3ページ目)

  • 門脇 正法●取材・文 text by Kadowaki Masanori photo by Sportiva


 これについて、ラグビー部OB会の松井幸宏副会長はこう語る。

「彼らはみんなのふたつの夢、花園での1勝という夢、正月を花園で過ごすという夢をかなえてくれたんですよ。花園にやってきてから伸び伸びとやってくれているし、どんどん成長している。何て言うか、OBとしても、青森山田との試合は全然負ける気がしなかったですよね」

 そして、浦高の次の相手となるのは、前大会の準優勝校で、今大会でも優勝候補の一角に挙げられているシード校、神奈川県代表の桐蔭学園。これまで以上の強豪と戦うことになるが、それでもラグビー部OB会の幸若栄毅副会長は、こう期待を寄せる。

「桐蔭学園は非常にオーソドックスなラグビーで、フォワードがガツンと当たって、何度も何度もフェーズを重ねるプレースタイルなんですよ。そこに、青森山田のトンガの選手に見せたようなディフェンスができれば、高校生同士、いい勝負ができると思いますよ」

 最後に松永キャプテンは、「桐蔭学園はこういう機会じゃないと、対戦もできない存在ですから」と元旦10時30分からの試合を楽しみにしながら、浦高ラグビー部が目指す「一流の文武両道」の「文」に関しても、こうつけ加えてくれた。

「受験でも頑張りたいので、リカバリーもしながら、疲れもとって勉強も両立していきたいですね。年越しは......勉強かな。でも勉強をやっていると、勉強にも集中しちゃって、やり過ぎちゃうんですよ。それで元旦の午前中の試合に支障が出るのは、もちろん、ダメですよね」

 そう笑いながら話す松永キャプテン。

「僕らは試合も勉強もまだまだなんですが、切り替えができるのは浦高の強みなんで、それができるからここまで来られたんだと思います」

 浦高ラグビー部のスローガンは、「謙虚に、ひたむきに」。その言葉を体現するかのような快進撃は、まだまだ止まらない。

(門脇そら●構成・協力)

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