16強入りの浦和高校ラグビー部。花園で受験勉強しながら強豪に挑む (2ページ目)

  • 門脇 正法●取材・文 text by Kadowaki Masanori photo by Sportiva


 後半も開始早々、1分に青森山田の留学生コンビがトライを決め、その勢いは止まらないかに思えたが、ここから5分に浦高の松永、17分にはフッカーの山際毅雅(2年)、そして25分には梯拓人(3年)が連続でトライを決め、最後のコンバージョンだけは失敗したものの、青森山田を33対21と突き放す。

 これに対し、執念で食い下がる青森山田も27分にトライとコンバージョンで33対28と1トライ差まで追い上げたが、最後には浦高の執念が勝り、ここでノーサイドのホイッスル。

 両校の"死力を尽くしたトライ合戦"に、花園ラグビー場の第1グラウンドには敵味方を問わない拍手が巻き起こった。

 こうして、1回戦の岡山代表・玉島との試合で花園での初勝利を収めた浦高は、2回戦も勝ち抜いてベスト16入りを果たしたのだ。

ライトに照らされた花園で、歴史的な2勝目を挙げた浦高ライトに照らされた花園で、歴史的な2勝目を挙げた浦高
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「今回は10番・目黒が敵の分析をしてくれて、それでゲームプランがはっきりしたのが勝因でした」

 松永キャプテンが、試合のポイントをこう振り返る。

「留学生2人がとにかくキーマンだから、低いタックルと、ボールキープを意識していこうと話していた。最初は2人にかき乱されたけど、ゲームプランを忠実に遂行できるのが浦高なんだと思いました」

 その言葉どおり、試合を通して低いタックルによって動きを止める作戦は功を奏していた。体格差のある留学生相手に勝つための策を事前に練ることができていたことが、この試合の勝因のひとつであったと言えよう。

 さらに、そんな自分たちを支えてくれているのがOBの力だと、松永キャプテンは感謝する。

「観客席を振り返ると全員が喜んでいて、その優しさに助けられてきました。それが浦高のよさではないかと思うとともに、僕たちがOBの方々に素晴らしい舞台を届けて、もっと恩返ししたいです。2回勝っただけじゃ満足できませんし、僕たちが頑張っていることを、OBの方々だけじゃなく、浦高全体にも届けたいですしね」

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