南ア監督の作戦がズバリ。日本でプレーしたポラードが成長を見せた (3ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文 text by Saito Kenji
  • 齋藤龍太郎●撮影 photo by Saito Ryutaro

 後半36分、ポラードはゴールを見た後、右足を振り抜くと、ボールはポストの間を抜けていった。

 2度追いつかれたものの、最後は19-16と引き離した南アフリカ代表が試合を終わらせてノーサイド。2007年大会以来、3大会ぶり3度目の決勝進出を果たした。最優秀選手賞「プレーヤー・オブ・ザ・マッチ」には、19点中14点を決めたポラードが選出された。

 試合後、黒人選手として初めて南アフリカ代表のキャプテンを務めているFLシヤ・コリシは、「最後の数分間、すべての選手を投入して大きな違いを生み出した」と胸を張った。

 一方、惜しくも敗れたウェールズ代表のキャプテンLO(ロック)アラン・ウィン・ジョーンズは、「私たちは最後まであきらめなかった。2度追いついたことを誇りに思います。ただ、追う展開になってしまって、あと少しのところで追いつけなかった」と唇を噛んだ。

 11月1日、ウェールズ代表は3位の座をかけて「オールブラックス」ニュージーランド代表と対戦する。そして南アフリカ代表は11月2日、日本代表の前指揮官であるエディー・ジョーンズHCが率いるイングランド代表と相まみえる。

「指揮官に就任してから18カ月で、イングランドとは4度戦って2勝2敗。彼らのスタイルにも慣れている。ニュージーランドを倒したのを見れば明らかのように、最後に戦った時より(イングランド代表は)よくなっている。ただ、チャンスはあると思っている」(エラスムス監督)

 南アフリカ代表は過去に2度決勝に進出し、いずれも優勝を果たしている。自慢のフィジカルとポラードの正確無比なキックで接戦に持ち込み、ニュージーランド代表に並ぶ3度目の優勝杯「ウェブ・エリス・カップ」を掲げることができるか。

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