主将リーチは「鬼になる」。運命のスコットランド戦、奇跡は再びあるか (3ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文・撮影 text & photo by Saito Kenji

 スコットランド代表は、控え組中心で快勝(61−0)したロシア代表戦からメンバーを12人も交替させてくる。34-0で勝利したサモア代表戦と先発13人が同じで、レイドローを筆頭にSOフィン・ラッセル、FBスチュアート・ホッグ、LOグラント・ギルクリスト、LOジョニー・グレイといった主力が先発出場する。

「日本はすばらしいチームなので、非常にいいプレーをしないと勝てない。ただ、私たちが日本代表に8点以上の差をつけて(勝てば)、準々決勝への切符を手にすることができる、またとないチャンスだ」

 スコットランド代表を率いるグレガー・タウンゼントHCがそう語気を強めると、ゲームを牽引する司令塔のふたりも日本代表を警戒した。

「日本代表は、私たちが日本で連勝した2016年から非常に進歩しました。試合を見れば、その成長の幅がわかります。アイルランド代表のようなチームを倒すことは、まぐれではない。セットプレー、アタックもディフェンスも向上している」(レイドロー)

「No.8(姫野)はすばらしいし、(開幕戦で)ハットトリックを達成したWTB(松島)、13番(ラファエレ ティモシー/神戸製鋼)もアタックがすごくいい。FWも強くてパワフル。彼らは個々にXファクター(特殊能力)を持っている」(ラッセル)

 日本代表が開幕3連勝を成し遂げた大きな要因は、FWの抜きん出た運動量、90%を超えるタックル成功率、そしてスクラムやラインアウトといったセットプレーの安定にあることは明白である。日本代表とスコットランド代表はお互いにカラーの似たチームであるだけに、FWの出来が勝敗を大きく左右することになろう。

「(予選プール)最後の試合でティア1(世界の上位10チーム)に勝つためには、優しい気持ちは必要ない。ティア1に勝つには、鬼にならないといけない。(スコットランド代表を)ボコりたい」

 キャプテンのリーチは、強い言葉で闘志を前面に押し出した。

 世界3位の南アフリカ代表を倒した「ブライトンの奇跡」から4年――。日本代表は「静岡の衝撃」で再び世界2位のアイルランド代表から大金星を挙げ、世界のラグビーファンを驚かせた。次はスコットランド代表に勝利して初のベスト8を達成し、「横浜の歓喜」をファンと一緒に味わいたい。

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