主将リーチは「鬼になる」。運命のスコットランド戦、奇跡は再びあるか (2ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文・撮影 text & photo by Saito Kenji

 マフィの落選は予想外だった。アイルランド代表戦でケガを負ったマフィよりも、サモア代表戦で出色の出来を見せた姫野のほうがいいと判断したのだろう。

 スコットランド代表には世界的キッカーのSH(スクラフハーフ)グレイグ・レイドローがおり、LO陣の体格も大きく、モールからのトライを大きな得点源としている。スクラムなどでの反則からPG(ペナルティゴール)を奪われるのは避けたいところだ。

 ロシア代表戦で5回、アイルランド代表戦で6回だった日本代表の反則数は、サモア代表戦では10回と多かった。スコットランド代表戦に向けた練習では、SH流大(ながれ・ゆたか/サントリー)が規律面を常に指摘してきたと言う。反則を抑えることで失点を少なくし、接戦に持ち込みたい。

 ゲームキャプテンには、チームのスキッパーであるFL(フランカー)リーチ マイケル(東芝)が戻ってきた。指揮官は「次の試合では、彼が最もリーダーとしてふさわしい。調子が戻ってきた」と語る。

「このチームが勝つには、キャプテンが最強でなきゃいけない。先頭に立って引っ張れるようになってきた。ボールを持ったら必ず前に出る。ディフェンスでは身体を張る」(リーチ)

 また、スコットランド代表戦のレフェリーがニュージーランド人のベン・オキーフであることも、ゲームキャプテンにニュージーランド出身のリーチを選んだ理由のひとつであろう。

 試合前の会見では、選手もコーチも戦術面の詳細に関して口を割らなかった。ただ、ジョセフHCは「スコットランド代表には経験値の高い選手が揃っているので、空中でのプレッシャーやモールでのフィジカルに力を入れてくるだろう」と話した。

 キックを交えて戦ってくる「攻撃ラグビー」のスコットランド代表に対し、日本代表としてはなるべく相手に攻められる時間を減らしたい。アイルランド代表戦のように、ボールをキープする時間を多くするはずだ。ただ、台風の影響でグラウンドが濡れている可能性が高く、流や田村のキックを賢く使って、最後は決定力のあるWTB松島幸太朗(サントリー)や福岡にボールを集めたい。

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