日本代表が狙うべきサモアの弱点。
相手裏キックで勝利を手繰り寄せろ

  • 斉藤健仁●取材・文 text by Saito Kenji
  • 齋藤龍太郎●撮影 photo by Saito Ryutaro

 ラム主将が「日本について分析する時間はほとんどなかったが、スコットランド代表戦を振り返って、日本戦の作戦を練りたい」と言えば、サントリーやサンウルブズでもプレーしたSOトゥシ・ピシは「日本の選手はみんなクオリティが高い。中4日でそう変わることはないので、フィジカルとメンタルをケアしていきたい」と話すにとどまった。

 スコットランド代表戦でも見えたように、サモア代表のFWはフィジカルに長けているものの、攻守の切り替えは遅く、暑さのせいもあって足が止まるシーンが多かった。日本代表としてはボールを大きく動かし、キックで相手の裏を狙って何度も走らせ、相手FWの体力を奪いたい。

 日本代表に勝つために、ピシは「ボールを確実にキープする。持っておくことが大事」と言っていた。サモア代表はFWをしっかりと前に出し、ピシやFBティム・ナナイ=ウィリアムズがボールを運び、外のスペースからトライするのが狙いだろう。

 その流れを寸断するためにも、日本代表はアイルランド代表戦のような粘り強いディフェンス、激しいタックルが必須だ。そして、スクラムとモールで優位に立つことができれば、試合を有利に進めることができる。

 初戦のロシア代表戦でHO(フッカー)モトゥ・マトゥウとCTB(センター)レイ・リーローが危険なタックルを犯して3試合の出場停止となったために、サモア代表の主力ふたりは予選プールに出場できない。また、スコットランド代表戦でイエローカード2枚をもらって退場(レッドカード)となったエースWTBエド・フィドウも、次の日本代表戦は出場できない見通しだ。

 個の力で戦うシーンが目立ったサモア代表に対し、「ONE TEAM」をスローガンに掲げる日本代表がチーム一丸となって戦うことができれば、足もとをすくわれることはないはず。決勝トーナメント進出を考えると、サモア代表戦では4トライ以上のボーナスポイントも獲得しておきたい。

 サモア戦は10月5日の土曜日、19時30分から愛知・豊田スタジアムで行なわれる。

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