日本代表が狙うべきサモアの弱点。相手裏キックで勝利を手繰り寄せろ (2ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文 text by Saito Kenji
  • 齋藤龍太郎●撮影 photo by Saito Ryutaro

 続く33分にも、ラッセルが起点となってトライが生まれる。ラッセルのパスダミーからFL(フランカー)ジェイミー・リッチーが抜け出し、それをレイドローが中央にトライ。前半終了間際にはFB(フルバック)スチュアート・ホッグが50メートルを越えるDG(ドロップゴール)も決めて、会場を沸かせた。

 前半残り10分ほどで、スコットランド代表が一気に試合を動かした。結果、20-0と大きくリードしてハーフタイムとなる。

 後半、意地を見せるサモア代表がフィジカルを前面に押し出してアタックを試みる。しかし、スコットランド代表のディフェンスも粘り強く、なかなかゴールラインを割らせない。

 すると後半16分、セットプレーで優勢だったスコットランド代表がモールを押し込み、相手のペナルティトライを誘って27-0。その後、4トライ以上のボーナスポイントを狙うスコットランド代表と、何とか1トライを返したいサモア代表がぶつかり合い、激しい攻防を見せる。

 そして迎えた34分、左サイドのWTBマイトランドがゴールライン手前から滑り込むようにしてトライを狙った。「(成功率は)フィフティー(50%)フィフティーだった」。ボールはマイトランドの手からこぼれたが、サモア代表WTBエド・フィドウの危険なタックルがなければトライだったとレフェリーは判断し、ペナルティトライの判定になった。

 最終スコアは34-0。スコットランド代表はサモア代表を零封し、さらに4トライ以上のボーナスポイントも加えて勝ち点5を獲得した。

 試合後、スコットランド代表のグレガー・タウンゼントHC(ヘッドコーチ)は、「(サモア代表の)大きな男たちに、情熱を持って何度もビッグタックルをした」と、ディフェンス面を手放しで褒めた。今後の日程は、中8日で10月9日にロシア代表戦、その4日後の10月13日に日本代表戦が控えている。「ふたつの試合を同時に準備して、日本代表戦に勝つ」と意気込んだ。

 一方、サモア代表は次の試合、中4日で10月5日に日本代表と対戦する。日本代表は中6日でサモ代表戦を迎えるため、日程的には日本代表が有利だろう。

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