2019.09.20

菊谷崇が日本代表の勝利に期待
「子どもが憧れる存在になってほしい」

  • 松瀬 学●文 text Matsuse Manabu
  • 小倉和徳●写真 photo Ogura Kazunori

――南アフリカにとっては理想的な結果だったでしょうね。

「勝ち負けでいうと、勝つ方がいいに決まっているんですが。勝負の世界、負けるのは仕方がない。そこに何が残ったのかが重要なんです。このタイミングで、ティア1(世界トップ10)の世界一に近いチームと対戦して、日本は41点に抑えた。僕らは(2011年RWCで)ニュージーランド(●7-83)に80点ぐらいとられていますから。そのなかで、計算できるトライも、計算できないトライもあっただろうし...。ミスからとられたトライもあるので、そう悲観的になる必要もないと思いますけど」

――でも、日本が予選プールであたるアイルランドも、スコットランドも、同じティア1です。ワールドカップで勝つのは甘くないですよね。

「もし日本が優勝するとなると、あのレベルのチームを最低でも、2回、3回倒さないといけないでしょう」

――優勝の可能性は小さいと。

「どの国にとっても小さいですよ、それは。たった1個ですから」

――ところで、ことしの日本代表のスローガンの『ONE TEAM』は、菊谷さんの時の日本代表の選手間のテーマと一緒ですよね。ワンチームになるため、菊谷さんの時、合宿で国歌を歌う練習をしていましたよね。

「それは、エディー(ジョーンズ前日本代表HC=現イングランド代表HC)の時に始めました。荒木(香織)さんというメンタルコーチがいて、(廣瀬)俊朗キャプテンがいて、ゴロー(五郎丸歩)がグラウンド内のリーダー、僕がグラウンド外のリーダーで、リーチがグラウンド内外のつなぎ役でした。日本チームの文化を残すため、目に見えることをしようということで、国歌の練習をすることにしたのです。思いついたのは、ゴロ―かな」

――エディーさん時代の話でいえば、2015年RWCの時の菊谷さんがつくったモチベーションビデオがありますよね。

「あれは、僕は編集しただけです。素材はみんなからもらったもので。トップリーグのチームが工夫して、(映像を)撮ってくれたのです。それをつなぎ合わせただけです。ちょっとムチャぶりだったのは、(廣瀬)俊朗が、(予選プールの試合ごとの)4試合分をよこせって。ちょっと大変でした」