ラグビー日本代表が勝利へ。ロシア戦ではハーフ陣の活躍がカギを握る (2ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文・撮影 text & photo by Saito Kenji

 セカンドロー(第二列)は、南アフリカ代表戦の時と変更。LO(ロック)ヴィンピー・ファンデルヴァルト(NTTドコモ)とLOジェームス・ムーア(宗像サニックス)のコンビとなった。

 そしてバックロー(第三列)には、FLリーチ マイケルとFLピーター・ラブスカフニ(クボタ)という強力なふたりに、No.8には網走合宿のケガから復帰した姫野和樹(トヨタ自動車)が入った。

 昨年11月のロシア代表戦では、接点でプレッシャーをかけられてペナルティを犯してしまい、相手にペースを捕まれてしまった。LOを任されたヴィンピーとムーアのコンビは初めてだが、ふたりともハードワークとタックルをウリにしている選手だけに、強力FWを擁するロシア代表に対して接点でしっかり戦えるメンバーを選んだのだろう。

 BKを見ると、福岡に替わってWTBレメキ ロマノ ラヴァ(ホンダ)が入ったものの、SO田村優(キヤノン)、CTB中村亮土(サントリー)、CTBラファエレ ティモシー(神戸製鋼)、WTB松島幸太朗(サントリー)、FBウィリアム・トゥポウ(コカ・コーラ)と順当なメンバーが揃った。

 唯一驚いたのは、SH(スクラフハーフ)のポジションだろう。フィジー代表戦と南アフリカ代表戦で先発した茂野海人(トヨタ自動車)ではなく、流大(ながれ・ゆたか/サントリー)が入ったことだ。SHの控えは、経験豊富な田中史朗(キヤノン)となった。

 今回のSH起用に関して、ジェイミー・ジョセフHC(ヘッドコーチ)はこう語った。

「流は自信を持ったいいリーダーで、コミュニケーションも非常によく取れている。味方にも強く要求でき、レフェリーにも主張できる。プレッシャーのかかる試合では、彼のような存在が必要だ。一方、田中は高いレベルでラグビーを経験してきた選手。大事な場面で彼の貢献度が試合を左右するだろう」

 流を先発に起用した意図には、早いテンポを作ることができ、スペースを突くキックが的確という点も挙げられるだろう。FWが接点でしっかりと戦い、素早い球出しができれば、相手のディフェンスも乱れるはず。SHからのキックで相手FWを何度も後退させて、疲れさせることもできる。

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