中村亮土はW杯と社業を両立。「ボールは努力した者のほうに転がる」 (3ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文・撮影 text & photo by Saito Kenji

 ディフェンスのリーダーのひとりとして、自覚も十分に備わってきた。

「ディフェンスが僕らの強みになってきた。(チームとして)フィジカルの部分で大きな相手に負けなくない(9月6日に対戦する)南アフリカ代表戦は、(ワールドカップに向けて)気持ちの中で自信が芽生える」

「日本代表でやっていけると確信を思った瞬間は?」と聞くと、いかにも中村らしい答えが返ってきた。

「(特定の)試合とかはないですね。徐々に自信を積み上げてきた。トップリーグも、サンウルブズも、昨年のイタリア代表戦も、イングランド代表戦も、全部そう。(目の前の目標をクリアしてきた)自負はあります。土台は大きくなっている」

 高校代表候補の合宿中だった2009年、日本でワールドカップが開催されることを知った。その時から中村は「ワールドカップを強く意識するようになった」と振り返る。

 建設会社に勤める父は、「大地のように力強くなってほしい」という願いを込めて、「土」という漢字を名前に入れた。4年間、努力を続けてきたからこそ、迎えることができる晴れ舞台――。日本代表が目標とする「ベスト8進出」という大輪を咲かせるために、中村亮土はチームを支える大地となって泥臭いプレーで勝利に貢献する。

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