大畑大介が認める日本代表の強さ「やべえ、どうしよう」の選択がない (5ページ目)

  • 松瀬 学●文 text Matsuse Manabu
  • 齋藤龍太郎●写真 photo by Saito Ryutaro

――注目選手をひとり。

「もう(ウイングの)福岡(堅樹)でしょう。前回大会、3勝1敗でベスト8に入れなかったのは、トライ数の差です。だから、前回大会は今回のマエフリなんです。この大会では、トライをたくさんとりました。その結果、次のステージに行きましたって。ストーリーが全部、できあがっているんです。福岡じゃないとトライはとれないですよ」

――最後に日本ラグビー協会が優勝の報奨金として一人5百万円と出すことを決めました。どうでしょう。

「いいんじゃないですか。だって、もらえるとなって、いらないという人はいないでしょう」

――金額的には。

「そりゃ、もっと出してほしいと思います。会長が新しくなって、ラグビーをプロリーグにしようとしているのだから、もっとポンとやってほしいと思いました。でも、もし、2千万円、3千万円となったら、ほんとうになったらどうしようとなる。1億円といわれたら、ぜったい無理だからってなる。今回の金額は現実味があるんじゃないですか」

 大畑さんの発する言葉は大言壮語に聞こえるも、まったく痛快だった。ついこちらの胸も弾む。その気配りと自己顕示はおおむね、微笑を呼ぶのである。

「オレ、勘違いの天才だから」と、大畑さんは小さく笑った。独自の道を切り開き、美しいランと結果で存在を示した。好きな色が「赤」。

「赤って気持ちが上がりません? 勘違いしてナンボでしょ。勘違いできないやつにいい結果は残せません。だって、勘違い、でかいこというとポジティブになるでしょ」

 日本ラグビーの宣伝部長役は、大畑大介さんの天職かもしれない。

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