リーチ主将が不安を乗り越え大きな自信。
「トライはいくつもとれる」

  • 松瀬 学●文・写真 text&photo Matsuse Manabu

 190cm、110kg。テストマッチ(国別対抗戦)出場のキャップ数が「62」。リーチ主将は3大会連続のRWC出場となる。2011年ニュージーランド大会では4試合フル出場した。14年に日本代表主将に任命され、前回の15年イングランド大会では、初戦で優勝候補の南アフリカを破る番狂わせを演じた。

 あのラストワンプレー。3点差を追う場面で、リーチ主将は同点狙いのPGではなく、自信を持ってスクラムを選択した。日本ラグビーの歴史を変えるためだった。結局、日本は予選プールを3勝1敗とした。

 だが、勝ち点差で決勝トーナメントには進めなかった。8月下旬の網走合宿で「まだ、あの時の悔しさは残っていますか?」と聞かれると、リーチ主将は短く答えた。

「あります」

 だから、この3年間、ジェイミー・ジョセフヘッドコーチ(HC)の下、選手たちはハードワークに取り組んできた。スーパーラグビーのサンウルブズのメンバーとして強度の高い試合を戦い、日本代表としてティア1(世界トップ10)のチームとテストマッチを重ねてきた。間違いなく、選手個々のフィジカルと経験値は上がった。

 リーチ主将は、エディー・ジョーンズ前HCとジョセフHCをこう、比較した。

「ふたりとも、とてもきつい、とてもハードワークでした。でも、データの使い方はまったく違った。(ジョセフHCは)データをしっかりと教えてくれたのは大きいです」

 4年前のチームと比べると、「得点力がかなり上がってきた」と言葉に充実感を漂わせた。

「前回は3勝しても次のステージに行けなかったんですが、今回のチームは得点力が上がったので、毎試合、トライをいくつもとれる自信はあります」

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