2019.08.30

ラグビー日本代表が決定。司令塔・
田村優が作る「混沌」の支配がカギ

  • 松瀬 学●文 text Matsuse Manabu
  • 齋藤龍太郎●写真 photo by Saito Ryutaro

 プロップ(PR)は、前回大会より1人多い5人が選ばれた。スクラムを引っ張る左PRの稲垣啓太(パナソニック)ほか、大型で強じんな足腰を持つ25歳の具智元(ホンダ)、中島イシレリ(神戸製鋼)、ヴァル・アサエリ愛(パナソニック)が並ぶ。勢いのある23歳、木津悠輔(トヨタ自動車)も選ばれ、ベテランの山下裕史(神戸製鋼)は惜しくも外れた。

 日本代表が予選プールで戦うロシア、アイルランド、サモア、スコットランドはどこも、セットプレーを狙ってくるだろう。フロントロー陣の選考基準を聞かれ、ジョセフHCは「そこでしっかりと相手に対して互角に戦えるかどうか、ゲームの運び方、プレーの仕方が理解できているかどうか、遂行できるかどうか」と説明した。日本のスクラムは8人一体。ヒットのタイミング、姿勢、足の運び方など細部のスキルの習熟も求められている。

 稲垣は、網走合宿で8人結束の意識が高まったと胸を張り、こう自信を示した。「(4年前と比べ)攻められるスクラムになったんじゃないでしょうか」

 ロック(LO)には、4大会連続のRWC出場となるチーム最年長の38歳、"トモさん"こと、トンプソン・ルーク(近鉄)が選ばれた。網走合宿で4年前との違いを聞けば、「トシだよ」と笑わせた。「ジムでいっぱい練習した。コンタクト・フィットネスはよくなったね」。勝負のポイントについては、「モールディフェンス」「リアクションスピード」を挙げた。

 FW第三列は、リーチ・マイケル主将(東芝)のほか、ピーター・ラブスカフニ(クボタ)、アマナキ・レレイ・マフィ(NTTコミュニケーションズ)ら。網走合宿終盤に左足首をねんざした姫野和樹(トヨタ自動車)も無事、選ばれた。スピード、アタックセンスに長ける徳永祥尭(東芝)は初選出だ。

 バックスが13人。専門職のスクラムハーフ(SH)は、前回RWCから1人増え3人、ベテランの田中史朗(キャノン)と流大(サントリー)、好調の茂野海人(トヨタ自動車)。ジョセフHCは「チームが何をしようとしているか、はやい展開を熟知している選手を選んだ。(けがで)SHがいなくなるとチームに打撃になるので、今回は3人連れていく」と説明した。ここが攻めのカナメとなる。

 ウイングが、快足トライゲッターの福岡堅樹(パナソニック)、鋭いランの松島幸太朗(サントリー)。インパクトプレーヤーとして、185cm、114kgの大型ウイングのアタアタ・モエアキオラ(神戸製鋼)がメンバー入りした。

 日本バックスの素早いディフェンスは磨かれている。守備に回ると、大型(188cm、101kg)のウィリアム・トゥポウ(コカ・コーラ)がSO田村と替わり、CTBのラファエレ・ティモシー(神戸製鋼)、中村亮土(サントリー)らと強力ディフェンスを形成することになる。