日本代表が誇るウィング3人衆。それぞれの特殊能力は強力な武器だ (3ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文・撮影 text & photo by Saito Kenji

 日本代表の組織ディフェンスは、大きな外国人選手に対抗すべく、相手の時間とスペースを奪うために極端に前に出る「ブリッツディフェンス(シャローディフェンス)」を採用している。ただ、これを採用すると、ディフェンスラインの裏のスペースをグラバーキック(ゴロキック)などで狙われる可能性も出てくる。

 ディフェンス時は、身体の大きなFBのウィリアム・トゥポウや山中亮平が前に上がり、ディフェンスラインに入る。そのため、SOの田村優や松田力也がFBの位置に下がってWTBのふたりと連係し、そのスペースを埋めて対応するのだ。

「PNCでは、ディフェンスで(相手の蹴ったボールを)クリーンキャッチすれば、チャンスになったシーンもあった。10番も後ろに下がる場合があるので、全体でコネクト(連係)していきたい」(福岡)

 松島と福岡にとっては2度目、レメキにとっては初のワールドカップとなる。開幕戦まで、残り3週間あまり。WTBのポジションを争う3人は、切磋琢磨しながら本番を迎える。

「最近はそんなに悪い状態ではない。今後、さらに上げていきたい。トライだけでなく、しっかりとチームに勢いを与えたい」(福岡)

「PNCの結果に過信せず、相手の実力を見極めながらワールドカップに入らないといけない。相手をしっかりと分析して、自分たちのパフォーマンスにフォーカスしたい」(松島)

「(ワールドカップで対戦する)アイルランドなど強い相手は、FWのセットプレーもBKのクオリティも違う。少ないチャンスでトライしないと勝てない」(レメキ)

 個性が際立つ3人がタッチライン際で相手と1対1となり、それぞれがしっかりとフィニッシュする――。そういった状況を増やすことができれば、おのずと勝利に近づくはずだ。

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