2019.08.11

ラグビー日本代表、W杯前哨戦で優勝
「ここが僕たちの限界じゃない」

  • 斉藤健仁●取材・文・撮影 text & photo by Saito Kenji

 チームを引っ張る堀江やリーチも、このPNCでチームの成長を実感していた。「全部勝って(の優勝)は、日本代表にはなかった。今までの日本代表なら、アメリカ代表戦も負けていたんじゃないですか。自分たちが考えていないほど力がついてきた」(堀江)。「日本代表はかなり強くなってきている。とくにフィジカルエリアで負けていないのは評価できる」(リーチ)

 しかし、接点での反則の多さや、新ルールとなったスクラムでのペナルティ(※)など、今後の課題も明白になった。

※ワールドラグビーの正式発表によると、スクラムを組む際、レフェリーの「セット」のコール(合図)前に、FW第1列の選手は頭を相手選手の首や肩に触れてはいけない決まりになった。

「ディシプリン(規律)が少し乱れてしまう部分もあったので、それらの軌道修正は必要。アメリカ代表は、(ワールドカップで対戦する)ロシア代表やアイルランド代表とタイプが似ているので、今日みたいな試合をすると負ける。もう一回、ディシプリンを見直したい」(リーチ)

 振り返れば、2011年のPNCではトンガ代表とフィジー代表に勝利し、日本代表は初優勝を飾った。ところが、その年に行なわれたワールドカップ本番ではトンガ代表にフィジカル勝負の末に敗れ、苦い思いを経験した過去がある。

 当時を知るリーチは、それを踏まえてこう語る。

「今はいい流れになっているけど、ヘンな自信はつけないほうがいい。2011年の二の舞になる可能性がある」

 同じく2011年を経験している堀江も、気持ちを引き締めて冷静に先を見据えていた。

「ワールドカップに入ると相手がガラッと変わることは、僕らは知っている。だからPNC優勝で安心せず、さらにうまくなっていきたい。ここが僕たちの限界じゃない。まだまだ成長する余地はあると思います」

 2月から合宿を重ねてきた成果が、今回のPNCでしっかり形となった。ふたりのベテランの言葉を聞くかぎり、今回の優勝が過信、慢心にはつながらないはずだ。

 いずれにせよ、目標に掲げる「ワールドカップ初のベスト8」に向けて、日本代表がさらに歩を進めたことは間違いない。

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