2019.08.11

ラグビー日本代表、W杯前哨戦で優勝
「ここが僕たちの限界じゃない」

  • 斉藤健仁●取材・文・撮影 text & photo by Saito Kenji

 それでも、「レジリエンス(不屈の精神と解釈)」をテーマに掲げ、6月から7月にかけて33日間の宮崎合宿を乗り越えた選手たちに動揺はなかった。ハーフタイムで話し合った時、「接点での規律(ディシプリン)が問題」ということは、選手みんながわかっていたという。

 その問題を意識して後半に臨むと、開始早々、相手からボールを奪い返した日本代表はSO(スタンドオフ)田村優のすばらしいタッチキックからチャンスを掴む。そして後半2分、この試合がPNC初出場でワールドカップに向けてアピールしなければいけない立場のFB(フルバック)山中亮平が、「1週間練習してきた形」で田村からのショートパスから内に切れ込み、インゴールに飛び込んだ。

 さらには後半15分、相手のキックカウンターから福岡と山中が大きくゲインすると、山中→SH(スクラムハーフ)流大→HO(フッカー)堀江翔太→リーチとオフロードパス(タックルを受けながらのパス)をつなぎ、最後はリーチがこの試合2本目となるトライ。「コースだったり、ボールの持ち方だったり、春からやってきたオフロードパスの練習の成果が出た」(リーチ)。

 その後、メンバーを大きく変えたことで追加点を挙げることはできなかったものの、ディフェンスで粘りを見せて34―20でノーサイドを迎えた。

 ワールドカップの前哨戦という位置づけとなった今年のPNCで、日本代表は3試合すべて4トライ以上をあげてボーナスポイントを獲得。3試合で失トライは計6つと、文句なしの全勝優勝だった。

「選手の努力に満足している。アメリカ代表もワールドカップの準備に入っているので、思い切り攻めてくることはわかっていた。だが(相手の)プレッシャーのなかでもこのような結果を残せて、本当に誇らしく思う。ワールドカップに向けて、いい予行演習になった」

 1週間前に母を亡くし、ニュージーランドで行なわれた葬儀を終えて前日にフィジー入りしたジェイミー・ジョセフHC(ヘッドコーチ)は、PNCの結果に満足した様子だった。