苦しむサンウルブズのチームづくり。当落線上の選手たちが感じた困惑 (3ページ目)

  • 松瀬 学●文 text Matsuse Manabu
  • 齋藤龍太郎●写真 photo by Saito Ryutaro

 30歳の三上は日本代表首脳陣から「体脂肪を減らせ」との指示を受けている。瞬発力、運動量を上げるためだろう。またまた同じ質問。日本代表入りへのアピールは?

「スクラムで苦戦しているので...。スクラムでどれだけインパクトを残して、体脂肪を絞りながらワークレート(仕事量)を上げていくか。もっと質を上げていきたい」

 このサンウルブズの存在意義は当初、ラグビーワールドカップに挑む日本代表の強化にあった。だが、今季は代表候補の主力で固める「ウルフパック」とは別に編成されてきた。例えば、編成に一貫性のあるアルゼンチンの代表「ロス・プーマス」とSRの「ジャガーズ」との関係とは異なる。

 この日のブランビーズが今季、37人を試合登録してきたのに対し、サンウルブズは53人も使ってきた。うち、日本代表候補の主力が何人出場したのだろうか。加えて、日本代表のコーチも務めるトニー・ブラウンヘッドコーチはリーグ終盤、チームから離れた(来季、ハイランダーズ入りも判明)。いろんな国の出身者が集うサンウルブズの選手にプライドはあろうが、何のために戦うのか、チーム共通の大義が見えない。

 サンウルブズは2試合を残し、3日、日本代表候補は約60人から40人ほどに絞られ、発表される。そのメンバーに入るかどうか。徳永や浅原、三上ら当落線上の男たちの過酷な戦いはまだ、続くことになる。

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