ラグビーW杯に不可欠。ジョセフHCが手塩にかけた司令塔ついに開花 (2ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文・撮影 text & photo by Saito Kenji

 大学卒業後は強豪パナソニックに加入し、2017年度は新人ながらインサイドCTB(センター)で主軸となった。トップリーグの新人賞は、帝京大で同期のFL(フランカー)姫野和樹(トヨタ自動車)に譲ったものの、年間を通してすばらしい出来でトップリーグの「ベスト15」にも選出。個人的にも「10番より12番のほうが向いているのでは」と思っていた。

 ただ、ジョセフHCは「田村と松田はいいスキル、ビジョンを持っている。このふたりがキープレーヤー」と、松田の10番にこだわり続けてきた。

「山沢(拓也/パナソニック)もサンウルブズでやっていますし、中村(亮土/サントリー)や立川(理道/クボタ)や小倉(順平/NTTコミュニケーションズ)を10番に起用したこともあります。(田村優の弟)煕(ひかる/サントリー)も一度サンウルブズで試したことがありました。ただ、全員を見たなかでは(田村と松田の)ふたりが一貫して安定している」

 ウェスタン・フォース戦、松田に10番を委ねたジョセフHCの期待は大きかった。

「先発SOはいろんな責任が伴います。ゲームコントロールはもちろん、1週間かけて選手たちを準備させる意味でも、彼には非常に大きな役割がある。そのあたりを伸ばしてほしい」

 松田も気合いが入ってきた。「これまで(田村)優さんが3試合スタメンでした。(インサイドCTBなどで)一緒にプレーしてゲームコントロールを見ているので、いいイメージがある。僕は仕掛けるところが得意なので、ランでもチャンスメークしたい」

 どこまで田村に迫るプレーができるか。SOの控えには現在チーム内で3番手の山沢も入っている。そんな状況のなか、松田は「ゲームプランどおり」と振り返ったように、相手の裏やオープンサイドにボールを蹴って相手にプレッシャーをかけ続けた。松田は前半6つのプレースキックを決めて、30-10のリードで折り返す。

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