100点中1点→完全復活へ。頼れる男マフィがサンウルブズ・デビュー (3ページ目)

  • 松瀬 学●文 text Matsuse Manabu
  • 齋藤龍太郎●写真 photo by Saito Ryutaro

 試合後のミックスゾーン。マフィは30人ほどのメディアに囲まれると、消え入りそうな声で漏らし、吐息をついた。

「疲れました...。試合していなかったので、疲れました」

 体力はともかく、ゲーム勘はまだ戻っていないようだ。タックルを外される場面も。

「まあ、まだまだですね。これから。もうちょっと。そう。フィットネスが足りないかなと思います」

 今日の出来は100点満点中何点?と聞かれると、マフィは笑って答えた。

「まあ、1点」

 えっ。1点ぽっち。メディアも笑った。

「あと99点。来週は110、やります」

 マフィはトンガ出身。関西学生Bリーグ(2部)の花園大学でプレーしていたところ、エディー・ジョーンズ前日本代表HC(ヘッドコーチ)に発掘された。素材は文句なしだ。前回のW杯では日本代表の3勝に貢献し、その後、海外のクラブにも挑戦した。

 だが昨年7月、当時所属していたレベルズ(オーストラリア)の遠征先のニュージーランドでチームメイトと暴行トラブルを起こし、一時、身柄を警察に拘束された。保釈後は自主的に謹慎しながらも、個人練習はつづけていた。NTTコムに戻り、11月のトップリーグ公式戦には復帰した。

 日本ラグビー協会は司法手続きが係属中として、W杯日本代表候補への招集を見送ったままだったが、司法手続きの終結が見通せないこととマフィが深く反省していることなどから、今月上旬、W杯候補合宿に追加招集した。そして、このほど、サンウルブズに加わった。

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