中村亮土が出色の出来で存在感。サンウルブズでW杯に向け猛アピール (2ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文・撮影 text & photo by Saito Kenji

 大健闘を見せたサンウルブズのなかで、とくに目を引いたのは12番のインサイドCTB中村亮土だ。強豪ワラターズ相手に、アタックで3トライに絡む活躍を見せた。

 昨年12月の練習中に右太ももを傷めたため、第1節は出場することができず、このワラターズ戦が中村にとって今年初のスーパーラグビーとなった。しかも、昨年のスーパーラグビー「ベスト15」に輝いたマイケル・リトルを控えに追いやって先発に抜擢された。

 その期待に応え、中村は前半7分、ビッグプレーで流れを引き寄せる。サンウルブズが自陣深くまで攻め込まれた時、中村は前に出て相手のパスをインターセプト。そのまま一気に60メートル走り、最期は右サイドのWTB(ウイング)ゲラード・ファンデンヒーファーにパスを通してトライにつなげた。

 ワラターズのアタックラインは深く、FWとBKのダブルラインを使って仕掛けてくる戦略は分析済みだったという。前に出るディフェンスのスタイルは日本代表もサンウルブズも同じなので、中村はしっかり前に出ることを心がけ、ワラターズの選手たちがアイコンタクトしてパスを出す瞬間を見逃さなかった。

「狙っていました。最後は個人の判断で、(相手の動きを)見切って出ました」

 そして前半38分にも、中村は判断の光ったプレーでトライをアシストする。パーカーからパスをもらった中村は、タックルを受けながらもLO(ロック)トム・ロウにオフロードパスを通す。「相手のディフェンスを見ながら、引きつけてからのパスはイメージどおりだった」。ロウはそのまま中央に飛び込み、20-17のリードで前半を折り返すことに成功した。

 さらに後半30分にも、中村は再びトライに貢献する。サンウルブズはシンビン(10分間の途中退室)でひとり少ない状況だったが、スクラムを7人で組んでボールを出すと、この時はSOに入っていた中村が仕掛けてパーカーにパスを通す。それがきっかけとなり、最後はファンデンヒーファーのトライに結びついた。

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