2019.02.15

サンウルブズ=日本代表にあらず。
W杯前に課せられた重大ミッション

  • 斉藤健仁●取材・文・撮影 text & photo by Saito Kenji

 ブラウンHCは元ニュージーランド代表のSO(スタンドオフ)で、2005年~2011年は三洋電機(現パナソニック)でもプレーした。ハイランダーズのアシスタントコーチ時代からジョセフHCの片腕として支え、2017年にジョセフHCが日本代表の指揮官に就任した後、ハイランダーズのHCも経験している。

 ブラウンHCは戦術に長けたコーチとして世界的に知られている人物だ。FWとBKが一体となった4つのユニットを並べ、空いているスペースにキックを使って攻める戦い方を信条としている。昨年5月のスーパーラグビーの試合でも、真ん中のユニットにFWではなくCTB(センター)を立たせた戦術を試し、それがうまくいくとすぐに日本代表でも実践した。

「革新的なラグビーがしたい」とブラウンHCが語気を強めるように、今年もスーパーラグビーで新しい戦術を試しながら、うまくハマれば日本代表でも採用するだろう。「セットプレーをできるだけ避け、ボールインプレー(フィールドでボールが止まらず動く)の時間を長くするスタイルで、勝てる可能性を最大限に広げたい」。

 サンウルブズの練習初日には、SOが起点となるオープンサイドへのハイパントキックを入念に確認していた。素早いパスでコントロールするSH茂野海人や、正確無比なキックが武器のSOヘイデン・パーカーには、自分からアタックを仕掛けることを求めているという。基本的なスタイルこそ変わらないが、昨年までとは違う戦い方も見られるはずだ。

 また今年は、選手の強化体制にも大きな変化があった。まず、スーパーラグビーで結果を残すべく、1月中旬から合宿に入ったサンウルブズと、2月から合宿を行なっている日本代表候補選手という、ふたつのチームが併走するスケジュールとなっている。

 昨年12月末、W杯に向けた日本代表候補選手(第3ワールドカップトレーニングスコッド)38人(FW=23人、BK=15人)と、それに準じる「NDS(ナショナル・ディベロップメント・スコッド)」の18人(FW=10人、BK=8人)が発表された。選ばれた選手たちに大きなケガなどがなければ、W杯メンバーはこの計56人のなかから31人に絞られる。