スタイル変更も前への精神は不変。
22年ぶりVで明大が新時代を築く

  • 松瀬 学●文 text Matsuse Manabu
  • 齋藤龍太郎●写真 photo by Saito Ryutaro

 歓喜の爆発。「メイジ! メイジ!」。紫紺の小旗が揺れる観客席からの大歓声に包まれ、主将のSH(スクラムハーフ)福田健太(4年)は泣いていた。試合後、勝因を聞かれると、こう声を張り上げた。

「メイジのプライドを持って戦えたことがすべてだと思います」

 メイジのプライドとは?

「紫紺のジャージを着た以上は勝たないといけない。ディフェンスでもアタックでも前に出続ける。すべてのところで押す。ラグビーに対する姿勢でも。それがプライド」

 表彰式が終わると、明大フィフティーンはピッチわきで待つ、試合に出場しなかった"ノンメンバー"のところに猛ダッシュで駆け出し、ひとつの輪となった。チームとしての一体感、これぞ学生ラグビー、いやチームスポーツの美徳のひとつである。

 活躍した4年生のWTB(ウイング)高橋汰地(たいち)がしみじみと漏らした。

「みんなが泣いてくれていたので、自分も泣いちゃいました。こいつらと一緒にラグビーやってよかったなあって」

 この日、宿舎での試合前ミーティングでは、ノンメンバーによるビデオメッセージが流された。熱い檄(げき)が続いた。

「日本一のBチームがいつも練習相手しているんだから、おまえたちは日本一だ!」

「メイジのスクラムは日本一だから、天理を圧倒してこい!」

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