明大FWのプライドが炸裂。意地のスクラム選択で早大に雪辱を果たす (5ページ目)

  • 松瀬 学●文 text Matsuse Manabu
  • 齋藤龍太郎●写真 photo by Saito Ryutaro

 今シーズンのスタートは昨季の大学選手権決勝の1点差の惜敗にある。だから、今季のチームスローガンが『Exceed』となった。悔しさを乗り越える、昨季のチームと自分を超える。結果を上回る、つまり優勝なのだ。

 決勝の相手は、王者帝京大をスクラムで粉砕した天理大となった。明大は昨年春、夏の練習試合で天理大に敗れている。もうひとつの準決勝、天理×帝京の後半をスタンドから観戦した井上にラグビー場の外で話を聞いた。

 冬の夜空の下、井上は背筋を伸ばした。「どうですか、決勝は?」。顔がこわばった。

「似たような強みを持っているチームです。外国人に負けない身体作りはやってきました。外国人をしっかり止めて、スクラムでも負けません。それが...」

 ひと呼吸おき、短くつづけた。

「プライドです」

 明大のプライドである。22季ぶりの王座奪回へ。最終学年を中心としたラグビー部全員がスクラムを組んで、昨季決勝のリベンジに燃えるのだ。

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