ラグビー早実で「二世」が活躍。異色の監督のもと花園を席巻できるか (3ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文・撮影 text & photo by Saito Kenji

 他にも、SO守屋大誠(1年)の父・泰宏は1990年代初頭に活躍したSOで、LO(ロック)池本大喜(2年)の父・信正氏もFL(フランカー)として活躍した人物だ。

 そして、後半に2トライを挙げる活躍を見せた主将のNo.8(ナンバーエイト)相良昌彦(3年)の父は、早大学院時代に花園に出場し、早稲田大時代はFLとして活躍、現在は早稲田大ラグビー部の監督を務める南海夫氏である。

 相良主将は、父親が早稲田大の監督になってから「家でラグビーの話が増えました」と笑う。「花園は初の舞台なので、一戦必勝でいきたい」。大舞台を前に、早くも意気込んでいる。

 初の花園に挑む早実を率いる大谷HCは、別な一面も併せ持っている。実は、スポーツ専門放送局『J SPORTS』のラグビー担当プロデューサーでもあるのだ。そんな仕事柄もあり、大谷HCは世界や日本のトップレベルを見続けて日々研鑽を積んできた。

 一昨年、そして昨年と、当時の3年生が予選決勝まで引っ張ってくれたおかげで、今年の選手たちは大舞台でも気後れすることがなかったという。國學院久我山を下した試合後、大谷HCは目を赤くしながら選手たちを称えた。

「この勝利は、スタッフ以外にもOB、2年前の丸尾(崇真主将/早稲田大2年)、去年の中西(亮太朗主将/早稲田大1年)たちが悔しい思いして、その決勝の舞台を踏んでいた相良たちが、OBやみんなの思いを体現して(花園出場を)実現してくれました」

 早実は1回戦で20年来の交流がある名護(沖縄)と対戦し、勝ち上がればBシードの流通経済大柏(千葉)と対戦する。流経大柏は夏の7人制大会で初の高校日本一に輝いた強豪だ。組み合わせ抽選後、相良主将は「(2回戦に勝って)年を越したい」とシード校への勝利を誓った。

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