ラグビー日本代表、秋のシリーズ通信簿。
1勝3敗で見えた課題と希望

  • 斉藤健仁●取材・文・撮影 text & photo by Saito Kenji

 オールブラックス戦ではスクラムでプレッシャーを浴びたものの、イングランド代表戦では相手と対等に組み合ってトライ奪取に貢献。ロシア代表戦でも大事な場面で、相手ボールのスクラムからペナルティを誘った。またラインアウトでも、長身選手の多いイングランド代表に対してスローワーとして7本中6本成功させるなど、国際舞台でも通用するプレーを見せている。

「(イングランド戦は)ラインアウトもスクラムも予想どおり。自分たちができる手応えはたくさんあった。セットプレーが試合で一番大事になると思っているので、HOとしてのプレーを安定させ、バックスにいいボールを出したり、相手にプレッシャーをかけられるようにしていきたい」

 一方、BK(バックス)ではCTB中村亮土が目立った活躍を見せていた。1、2戦目は控えからの出場だったが、イングランド代表戦では先発に抜擢。強豪国相手に初めて12番のジャージーを着て臨み、前半22分にはスクラムからフィジカルを活かしてトライを挙げた。

 エディー・ジャパン時代、中村は大学生ながら初キャップを獲得。イングランド代表戦後、かつて薫陶を受けたジョーンズHCの前でいいプレーができたことに関して、「たぶん(エディーさんは)1回では認めてくれないでしょうね(苦笑)。先発すれば80分通していいプレーを続けないといけないので、まだ自分が向上できるところが見つかってよかった」と振り返った。

 また、その他の選手からも目に止まるプレーが多々見られた。

 今年6月に31歳で代表デビューした遅咲きのFL西川征克は先発したイングランド代表戦で役割をまっとうし、ロシア代表戦でも相手ボールを要所で奪うなどチームの勝利に貢献。1年ぶりの代表復帰となった2015年W杯組のNo.8ツイ ヘンドリックは、ロシア代表戦で独走トライを挙げてマフィ不在の穴を埋めた。また、13人制ラグビーのトンガ代表歴を持つウィリアム・トゥポウも、CTBやWTBだけでなくFBとしても十分にプレーできるところを見せている。

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