2019年W杯へ。トップリーグ新人賞は、桜のジャージーへの登竜門 (3ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文・撮影 text & photo by Saito Kenji

 また、パナソニックの新人には、東福岡高から大学を経由せずに加入したFL福井翔大もいる。9月28日の誕生日までに出場することができれば、史上初めての「18歳トップリーガー誕生」となるが、果たして......。

 そして、昨年度の新人王を獲得した姫野を輩出したトヨタ自動車には、8名もの新人が加入した。チームを率いるのは、2007年に指揮官としてW杯優勝を経験したジェイク・ホワイト監督。就任2年目の今季は「日本代表に選手が輩出することが、自分の役目のひとつ」と語るように、今年も積極的に若手を起用しそうだ。「開幕から新人を5人、メンバーとして起用する可能性もある」と発言している。

 東海大出身で日本代表5キャップの左PR三浦昌悟、昨年度まで天理大のスクラムを支えた右PR木津悠輔、帝京大時代にスピード豊かなランでファンを魅了したCTB岡田優輝......。彼らは初年度から活躍する可能性を秘めており、新人賞は今季もトヨタ自動車の選手が獲得するかもしれない。

 ほかには、ヤマハ発動機ジュビロにはタックルが魅力の東海大出身CTB鹿尾貫太と、SH矢富勇毅の弟の帝京大出身WTB矢富洋則、東芝ブレイブルーパスには7人制日本代表の摂南大出身WTBジョネ・ナイカブラ、NTTコミュニケーションズシャイニングアークスには東海大出身のCTB池田悠希、さらには初昇格の日野レッドドルフィンズには日体大出身のWVB竹澤正祥......などなど。今季のルーキーは注目したい逸材が多い。

 そのなかでも、とくにブレイクを期待している選手がいる。それは、日本代表No.8(ナンバーエイト)アマナキ・レレィ・マフィ(NTTコミュニケーションズ)の出身大学である花園大から豊田自動織機シャトルズに加入したWTBシファ・リサラだ。

 リサラは大学時代から7人制日本代表のエースとして名を馳せていた逸材である。昨年5月のワールドシリーズ・パリ大会ではブレイク数やオフロードパスなどで全選手中トップの数字を記録し、「インパクトプレイヤー賞」に選出。今年4月に香港で開催されたワールドシリーズの昇格大会でも中心選手として躍動した。リオデジャネイロ五輪にも出場したHonda HEATの日本代表WTBレメキ ロマノ ラヴァのような存在感で、一気に15人制の日本代表になり得るポテンシャルを秘めている。

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