2019年W杯へ。トップリーグ新人賞は、桜のジャージーへの登竜門 (2ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文・撮影 text & photo by Saito Kenji

 なかでも、エディージャパン時代に高校生ながら代表合宿に練習生として招集された梶村は注目だろう。U20日本代表で薫陶を受けた沢木監督のもとで「ラグビーがしたい!」と入団を決意した梶村は、「ラグビーについて考える時間が増えました。体重も3kg増えて、フィットネスもスピードも上がった」と、チャンピオンチームのなかで成長の手応えを掴んでいる。

「大学時代はポジションが約束されていたが、今はそうではない。開幕戦への出場を狙っていきたい」と意気込む若きCTBは、基本的に12番を任されるだろうが、時には13番としても試合に出場しそうだ。いまだ日本代表には呼ばれておらず、2019年W杯出場への道のりは厳しいが、「まずサントリーで結果を出すことが、これからにつながる」と、前向きに捉えている。

 一方、同期の堀越や尾崎は大学時代、若手主体のチームで臨んだアジア勢との試合で日本代表を経験している。堀越はチーム事情により、今季は慣れ親しんだHO(フッカー)でプレーしながらPRでの出場機会も増えそうだ。大学2年時まで左PRでプレーしたので、それにも問題なく対応できるだろう。また尾崎も、チームには昨年度トップリーグMVPの松島幸太朗がFB(フルバック)のポジションに君臨しているため、まずはWTBで出場機会をうかがう。

 そのサントリーに対し、3年ぶりの王者奪還を誓うパナソニックワイルドナイツにも有望な新人が入ってきた。東海大の主将だったFB野口竜司だ。すでにサンウルブズでデビューを果たしており、日本代表キャップ数も13を誇っている。藤田慶和や森谷圭介といった先輩たちからポジションを奪うことができるか、この大型ルーキーからも目が離せない。

「W杯出場にはチャンスがある」と野口は言いつつ、日本代表で同じポジションの選手と比べて「足りない部分がある」とも感じている。「タックルされても前に出る強さ、スキルを磨いていきたい」と語っており、トップリーグの舞台でどれだけ活躍できるか注目したい。

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