釜石鵜住居復興スタジアムが完成。レジェンドたちも「想い」をつなぐ (3ページ目)

  • 松瀬 学●文 text Matsuse Manabu
  • 谷本結利●写真 photo Tanimoto Yuuri

 清宮監督はイベントで2年前にも鵜住居を訪ねている。地元の人と風船とハトを飛ばしたそうだ。その時はまだ、ここは更地だった。「僕の中ではいろんな絵がぐるぐる回っている感じなんです」。感激屋の清宮監督は少し上気した顔で言葉を足した。

「カマイシッ。それに尽きます。この言葉、日本のラグビーを愛する人みんなが大切にしているんだと思います。この新しいスタジアムでラグビーの絆を深められたことをホント、うれしく思います」

 そういえば、試合後、両チーム一緒の記念撮影の際の掛け声は、チーム名を合わせ、「ヤマハ・シーウェイブス!」だった。

 震災後の復興祈願試合でプレーした五郎丸歩はこの日、2日前に試合したばかりだったので出場しなかった。

「(7年前)ここに来たときはまだガレキが残っていて、ほんとショックという言葉があてはままる状態だった。今は、新しいスタジアムができたり、周りに家が建ったり、また普通の生活を取り戻してきたなという感じでよかったなと思います」

 この日は、被災地に届ける平原綾香さんの歌や人気のEXILEメンバーと中学生のダンスも披露された。五郎丸が感謝する。

「多くの方が夢や希望を持ってイベントをやってくれたことを非常にありがたく思います。ここでワールドカップが開催されるということで、ラグビーを通してさらに元気を取り戻してもらいたいと思います」

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