2018.07.17

ラグビー転向1年半のシンデレラガール、
セブンズW杯で大暴れの予感

  • 斉藤健仁●取材・文・撮影 text & photo by Saito Kenji

 転向後、大竹のシンデレラストーリーはトントン拍子で話が進んでいく。女子ラグビーの強豪・日体大に進学が決まるやいなや、指導者の間でも「すごい選手がいる!」と噂になり、ラグビー歴ゼロながら2017年1月に日本代表の強化合宿に初招集。中村知春主将も「サクラセブンズに足らないスピードとフィジカルを持っている」と潜在能力を認めた。

 大学生になった大竹はラグビー漬けの生活となり、その秋には国際大会で本格的に代表デビューするかと思われていた。しかし、脳しんとうになったり左肩を痛めたりと、陸上競技とのギャップに苦しむ日々が続く。結果、セブンズW杯の予選を兼ねた秋の大会への出場は叶わなかった。

 だが、大竹はその後も「W杯に出てみたい」と静かに闘志を燃やし、1年間のウェイトトレーニングを積み重ねた。そしてついに今年の1月末、世界を転戦するワールドシリーズ(WS)のシドニー大会で初めて「桜のジャージー」に袖を通す。

 代表デビューの相手は、強豪のニュージーランド代表。そこで大竹は、いきなり世界を驚かせた。ステップで相手を3人かわし、80mの独走を披露。一気にスピードを上げてトライの起点となった。「あの瞬間はすごく楽しかった! チームを前に出すことが求められていて、それが初めて叶った国際試合でした!」(大竹)。その後も大竹は、イングランド代表を破る金星にも貢献。華々しい代表デビューを飾った。

 ところが、4月に行なわれたWS北九州大会では実力を発揮することができず、チームも5戦全敗を喫してしまう。大竹の存在が世界に知れ渡り、相手からのマークがきつくなったからだ。

 その後、バンクーバー大会とパリ大会でも結果を残すことができず、日本代表は世界の「トップ11」がしのぎを削るWSから、わずか1年でふたたび降格。そんな状況で迎える7月のセブンズW杯は、「オリンピックのメダル」を目標とするサクラセブンズにとって試金石となる大会となろう。