イケメン松井千士が再びスター街道へ。セブンズW杯で切り札となる (3ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文・撮影 text & photo by Saito Kenji

 それでも、男子セブンズ日本代表のコーチ陣は、ルーキーながら優勝チームで5試合5トライを挙げた「スピードスター」を招集し続けた。セブンズ総監督で男子のHCを務める岩渕健輔はこう語る。

「松井のスピードは、日本ラグビーにとって貴重な戦力。いち早くチームにフィットさせたかったので、ずっと声をかけていました。(セブンズは)ひとり走れる選手がいれば、チームは変わってくる。松井はそういうことができる、日本では数少ない選手です」

 今年6月、松井は本格的に練習に復帰。そして、サントリーの一員としてブランビーズ(オーストラリア)との親善試合で8ヵ月ぶりの出場を果たすと、松井はセブンズに再挑戦する覚悟を決める。

「昨年までは(15人制と7人制を)フラットに考えていましたが、岩渕HCに『力を貸してほしい』と言われたので、今はセブンズに集中して2020年の東京五輪に向けてがんばっていきたい。あと2年、オリンピックを目指していくステージに立つことができてワクワクしています」

 セブンズの試合に出るのは約2年ぶりだったものの、7月1日に日本代表候補として出場した「ジャパンセブンズ」では持ち前のスピードを生かし、3試合すべてでトライを挙げて勝利に貢献。試合後、松井は「ドクターはスピードが落ちることを懸念していましたが、自分の感覚では(ケガする前と比べて)落ちていない。フィットネスは全然ダメで足を引っ張りましたが、スピードは8~9割、戻ってきました」と安堵の表情を見せた。

 セブンズW杯のメンバーに選出された13人のなかで、世界を相手にスピードで勝負できる選手は松井ぐらいだろう。否が応でも期待がかかる。

 日本代表はセブンズW杯に過去6大会すべて出場しているが、最高成績は13位タイ。今大会はフォーマットが変わり、予選プールがなくなってすべて一発勝負となった。初戦でウルグアイ代表と戦い、それに勝つとリオ五輪金メダルのフィジー代表と激突する。そしてフィジー代表に勝利することができれば、チームが目標に掲げる「ベスト8」進出となる。

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