ラグビー日本代表の司令塔に
「平尾誠二2世」がメラメラ燃えている!

  • 斉藤健仁●取材・文・撮影 text & photo by Saito Kenji

 ただ、その点は仕方のない部分もあるだろう。昨年度、パナソニックで社会人ルーキーイヤーの松田は10番ではなく、12番のインサイドCTBでプレーしていたからだ。1年目ながら14試合に先発し、7トライを挙げて12番として「ベスト15」にも選出。帝京大学の同期で日本代表でもチームメイトのFL(フランカー)姫野和樹(トヨタ自動車)がいなければ、トップリーグ新人賞を獲得していただろう。

 今年、松田はサンウルブズに呼ばれなかった。

 それでも、コーチ陣からの期待は高く、「NDS(ナショナルディベロップメントスコッド)に参加して試合経験を踏んでほしい」と言われて、4月には日本代表の二軍にあたる「JAPAN A」に選出される。ニュージーランド遠征ではスーパーラグビーの若手主体チームと対戦し、10番の役割を担って2勝1敗と大きく勝利に貢献。その活躍が認められて今回、松田はふたたび日本代表に呼ばれた。今回の日本代表メンバーのなかで今年のサンウルブズに参加していない選手は、BKでは松田だけである。

 5月末から始まった宮崎合宿では、同部屋となったトニー・ブラウンコーチや田村から薫陶を受けたことにより、10番としての判断に磨きがかかったという。また、6月の東京合宿では昼休み中、誰もいないピッチに出てきて田村と話し込む姿も見られた。

「(パナソニックでも)10番をやっているほうがプラスになりますし、12番から10番をやるより、10番から12番をやるほうが楽です。(パナソニックのコーチ陣と)話して(10番と12番を)半々くらいできれば」

 松田は今後、トップリーグでもSOとして出場することに意欲を見せた。

京都の名門・ユニチカでプレーした父親・大輔氏の影響で6歳からラグビーを始めた松田のターゲットは、2019年W杯に日本代表の桜のジャージーを来て出場することだけでなく、「結果を出すこと」だ。伏見工時代から「平尾2世」として注目を浴び、そのメモリアルマッチで大きな自信を得た24歳は今、日本代表の10番として飛躍のときを迎えようとしている。

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